2023/1/16 19:00
神様のお話
大切なもの

聖書のことば

「いつも喜んでいなさい」

テサロニケの信徒への手紙 5:16

チャプレン 司祭 ダビデ林 和広

おはようございます。幼稚園に来てくれてありがとう。元気ですか?

新しい1年が始まっての最初の月曜日の礼拝の時間です。「礼拝」という言葉を使っていますが、この言葉のもともとの意味は、「大切なもの」という意味があります。わたしたちにとって「大切なもの」をみんなで集まって行うこと、それが礼拝です。今日は1月16日ですが、明日17日はわたしたちが住んでいるこの日本において忘れてはならない出来事を思い出す日です。阪神淡路大震災という大地震が起きた日が1月17日でした。今から28年前のことでした。わたしはその時大学生で東京にいました。朝、テレビをつけると神戸、大阪を中心に大きな地震が起きたというニュースが流れていました。神戸にお家があるおともだちがいて、電話がつながらない!どうしよう、と心配しているおともだちがいました。

大地震がおさまった後、全国から多くの人たちが地震が起きた場所に集まって、困っている人のところに行き、食べるものを配ったり、壊れたお家を片付けたり、悲しんでいる人、泣いている人たちのところに行って、出来る限りのことをしました。教会でも多くの人が神戸、大阪の教会に集まり、困っている人を助け、その人たちのために祈りました。それからずっと多くの人が大地震の起きた1月17日に大地震が起きたところに集まって、この大地震で命を失った人のため、そのご家族のため、大地震によって今も悲しい思いをしている人たちのことを覚えて祈り続けています。明日は多くの人たちが地震の起きたところに集まってお祈りが捧げられます。

この世界は神さまがつくってくれた、神さまはいつも私たちのことを思ってくれている、わたしはみんなにそのようなお話をしますが、どうしてこのような悲しいことが起きるのか? そのように思うおともだちがいると思います。神さまがいてくれるのにどうして多くの人の命が失われたのか?と。これに対する答えは見つかりません。でも一つ言えることは、今、お話の中で言ったように、神さまは悲しんでいる人、泣いている人たちのそばにいて、同じように悲しみ、泣きながら、一緒にいてくれて、そこからまた元気になるようにと支えてくれる、そのことははっきりと言えます。いつかは悲しみが消え去って、笑顔になれるようにといつもそばにいてくれている。大地震が起きた時も多くの人がその場所に集まってそこにる人たちを助けたこと、明日はたくさんの人が大地震のあったところに集まって祈るということをお話しましたけど、そのような人たちのところに神さまがいる。この先もずっといてくれて悲しみから笑顔になるまで、笑顔になってもずっといてくれる、そのことを伝えたいと思います。

今朝の聖書の言葉は「いつも喜んでいなさい」という言葉です。先ほどお話ししたように、生きている中にあって悲しいこと、つらいことがたくさんあって、「いつも」喜んでいることは難しいことです。生きていれば悲しこと、つらいことがたくさんある。でも、神さまはうれしい時もかなしい時も「いつも」そばにいてくれる。悲しみから笑顔になれるように「いつも」いてくれる。このことを「大切なもの」としてココロにおいて欲しいです。そして、この大地震のことをいつまでも忘れずに祈り続けていくことを大切にしていきましょう。これから阪神淡路大震災を覚えて祈りたいと思います。