聖書のことば
「めいめい自分のことだけでなく、
他人のことにも注意を払いなさい」
フィリピ 2:4
チャプレン 司祭 ダビデ林 和広
おはようございます。元気ですか?
みんながいる牧羊幼稚園のお庭には教会があって、聖堂の中や聖堂の屋根には十字架がありますね。幼稚園の屋根にもホールにも十字架がありますけど、十字架とははるかむかしにあった、罰として人がはりつけにされるというとってもこわい道具でした。しかし、そのこわい十字架に、神さまの独り子であるイエスさまがつけられた後、その十字架はイエスさまを通して、神さまからわたしたちにしめされる愛のしるしへと変えられました。教会やホールにある十字架は、神さまからみんなに与えられている愛のしるしなのです。
十字架のカタチは、たての線とよこの線とが重なり合ってできていますが、この2つの線には意味があります。神さまに祈るとき、礼拝をおささげしているとき、「十字を切る」ことがあります。「父と子と」と唱えるときに、額から胸に、上から下に向けてスーッと手を下ろし、そして、「聖霊のみ名によって」というとき、左の肩から右の肩に向けて横にスーッと手を動かします。たての線は、天の父なる神さまから子であるイエスさまに対する愛情が注がれることを意味し、よこの線は、聖霊の働きによって、この世界のすみずみまで、すべてのところに、その神さまの愛情がゆきわたること、そのことを意味します。教会の屋根の十字架は丸い円で囲まれていますが、この丸い円は「ずっと(永遠に)」とか「互いにつながっている」ということをあらわしています。丸い円で囲まれた十字架は、「ずっと、神さまからの愛情は広げられている」ということを周りに伝えるしるしです。
今朝の聖書の言葉は、「めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい」ということばです。自分のことだけでなく、周りのおともだちのことを大切に想ってね、というメッセージです。
さきほど、十字架のこと、十字架を来ることのお話をしましたが、みんなには天の父なる神さまからたくさんの愛情、優しいココロが注がれているのです。その神さまからの優しいココロを前、後、横にいる、みんなの周りにいる先生、おともだちすべてに分かち合う、広げていくこと、これが今日、みんなに伝えた聖書の言葉の意味です。
十字架を見るとき、このことを思い出してくれたらうれしいです🙂