「あなたは自分の杖を上げ、海に向かって手を伸ばし、
海を二つに分けなさい。」
出エジプト記 14:16
チャプレン 司祭 ダビデ林 和広
おはようございます。元気ですか?
今週の聖書の言葉は先週の続きで出エジプト記という物語の中にある言葉です。
先週の礼拝の中で、エジプトという国のファラオという王様のところで、大変な仕事を与えられて苦しんでいたイスラエルの民を助けようと、神さまはモーセという人を呼んで、イスラエルの民を助けるためにエジプトから脱出しなさいと言ったというお話をしました。
モーセは神さまの言葉を聞いてファラオは強い軍隊を持っているし、イスラエルの民はたくさんいるし、自分一人ではぜったいに無理だと言いますが、神さまはモーセに対して、いつもいっしょにいるから大丈夫、必ず出来ると励まします。
それを聞いてモーセはエジプトを脱出にチャレンジしますが、そこにファラオの軍隊が追いかけてきます。目の前は大きな海、そのまま進めば海でおぼれてしまいます。でも、後ろからはファラオの軍隊が!「わーっ、もうダメだ!、ファラオの軍隊につかまってしまう!」と大ピンチ!そんな時、モーセは「大丈夫!神さまが助けてくれる!」とイスラエルの民に伝えます。そのモーセの言葉を聞いて、神さまが言った言葉が今日の聖書の言葉です。
「あなたは自分の杖を上げ、海に向かって手を伸ばし、海を二つに分けなさい。」という神さまの言葉を聞き、モーセがそのようにすると、海が二つに分かれ、地面が出てきて、そこをモーセとイスラエルの民が通ります。しかし、モーセたちが通ると海が元に戻り、ファラオの軍隊は前に進むことができず、モーセたちはエジプト脱出に成功することができたのです。
すごい奇跡ですね。信じられない奇跡です。幼稚園の近くには大蔵海岸がありますが、目の前にある大きな海が二つに分かれて、歩いて淡路島まで行けるなんてことは想像できないですね。
でもこの奇跡の物語は今もなおずっと語り、伝えられているものです。この物語をどのように読み、聞いたらいいのでしょう。
この物語を読むときに大切なことは、本当にこのような奇跡がここに書いてあるとおりに起きたかどうかというよりも、何千年の前にファラオの軍隊からイスラエルの民を助けてくれた神さまは今も、ここに生きていて、同じように苦しんでいる人たちの声を聞いてくれている!ということなのです。
いろんな仕方で神さまはわたしたちの声を聞いてくれている。大切なのは、モーセのように、どんなに不安なことがあってもきっと神さまはその声を聞き、手を差し出してくれると「希望」を持つことなのです。
わたしたちにとって大切なのは「希望」、「きっと大丈夫」という心なのです。「希望」が生きる力を与えてくれるのです。
きっと大丈夫、必ず、自分を助けてくれる神様がいて、その神様が自分を助けてくれる人を与えてくれる、この希望をいつも大切に胸にしまっていてほしいです🙂