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聖書のことば

「人を分け隔てしてはなりません。」

ヤコブ　2：1

チャプレン　司祭　ダビデ林　和広

おはようございます。元気ですか？

みんな、野球選手の大谷翔平選手のこと知っていると思います。３月に韓国のソウルで大リーグの開幕戦があるということですが、その試合のチケットが26日から販売されてすぐに売れてなくなったそうです。大谷選手が試合に出るかどうかはわからないみたいですがすごい人気ですね。世界中から試合を見にソウルに人が集まります。

さて、違う国に入るにはパスポートというものが必要ですが、入る国によってはパスポートに加えて、ビザという、その国に入っていいですよっていう証明書が必要です。日本からソウルに行くにはビザは入りませんが、国によってはビザが必要となります。それぞれの国が自分たちの国の安全を守るためにそれを決めるのです。地球は一つですけど、その中でいろんな壁があってそれぞれがここからここまでは私の国です、という線を引きます。空を見上げれば壁も線もないけど、目に見えない壁や線があって、そこに入るには「入っていいよ」という許可がいるのです。このように世界にはそれぞれの決まり、ルールがあります。それに従わないと大変なことになります。

しかし、私たち人間同士についてはどうでしょう？あなたは私と違う国の人だからここに来たらダメですとか、同じ国同士の人間同士でも、あなたはいいけど、あの人はダメとか、そのような壁とか線を引くことは必要なのでしょうか。

今朝の聖書の言葉は「人を分け隔てしてはなりません」という言葉です。「分け隔てる」とは、人と人との間に壁や作るようなことです。さっきも話したように、あなたはいいけど、あなたはダメ、と分けることです。私は海外に住んでいたことがありますが、電車に乗っていたときに、なんでお前がこの電車に乗っているんだ、と言われたことがあります。私は「どうして？」「何か問題でも？」と聞きましたが、その理由は日本人だからと言うものでした。

今朝の言葉はヤコブという人が書いた手紙中の言葉です。悲しいことにヤコブがいた教会の中でも差別があって、この人はお金持ちで立派だから大事にするけど、あの人はそうではないから知らないとか、ここの席には座ってはならないとか、いろんな分け隔てがあったのです。

これを見てヤコブは言うのです。わたしたちはみんな同じ神さまの子であり、それぞれ違いがあっても分け隔てしてはならないと。困っている人がいれば助け、支えてあげようではないか、そう言うのです。

このことは私たち人間にとって大切なことです。決して人を分け隔ててはなりません。同じ神さまからいのちを受けた大切な存在であることを胸に留め、広く大きなココロを身につけて欲しいと思います🙂